始めまして、発達支援ユニコーンの大野と申します。作業療法士として、子どもさんへの支援のお手伝いをさせていただいています。

今回、「空間」について、感覚刺激の観点から、子どもたちみんなにとって、より良い空間とはどんなものなのか?また、それがどんな意味をもつか?考えてみました。

 

「空間」は「時間」と一緒でとても曖昧なものです。また、音や声・光・人・物と、いろいろなもの(感覚刺激)が含まれていて、人によって感じ方が変わってくるものです。

そのため、刺激の感じ方に偏りのある子どもたちにとって、その空間に含まれる様々な刺激について配慮せず、“当たり前” “常識” “社会に出れば厳しい” という考えで支援を進めていくことは、とてもつらいものになってしまうと思われます。

いろいろなことに興味や注意が向いてしまうことが多い子どもさんが、学習に取り組みやすい空間は? お友だちと一緒に活動しやすい空間(環境)は? 逆に、いろいろなことに気づきにくく1回だけでは理解しにくい子どもたちにとって、より良い空間はどんな空間なのか?を考え、その子にとってより良い空間(環境)を提供していくことはとても大切なことと感じています。

また、子どもたちにとって、“集中しやすい空間” “居心地の良い空間” “楽しい空間” “落ち着く空間” といった、より良い空間を提供していくことが、どんな意味をもつかを考えてみると、まず、1つ目は、そういった空間の中での学習や活動・遊びで「わかった!」「うまくできた!」といった成功体験が、自信やエネルギーに繋がっていくのかと思います。2つ目として、周りの人が理解ある対応をし、より良い空間を考え提供していけるかどうかが、とても大切になると思われます。周りの理解を本人自身が求めることは難しいことが多く、日頃、関わっているご家族や専門職の人たちの援助が必要となります。特に専門職の人たちは、なかなか上手く適応できない子どもたちの理解と支援について、啓発していく努力が必要だと考えています。

また、子どもたちにとって、大切な社会生活の場である学校や幼稚園・保育園においても、その子にとっての “より良い空間” について考え、職員皆で理解共有していくことが大切です。また、よき理解者として、親御さん・ご家族の役割も大切であり、安らぎの場が家庭であり家族であることも、とても大切と思われます。

発達支援ユニコーンでも、子どもたちが希望する “より良い空間“ 作りに務め、子どもたちがもつ力をしっかり発揮していけるよう、光を輝かせていけるよう、支援していきたいと考えています。