例えば目を閉じてまっすぐ立ちましょう!という課題に対し、子供達の頭の中ではそれぞれまっすぐ立っている姿勢で同じイメージが形成しているはずが、実際にはできている子供とそうではない子供がいるのです。

また、目を閉じてまっすぐ90度で横に手を伸ばしましょう!の課題でも左右差のある子。そもそも平行という感覚が乏しい子。様々な違った結果が得られます。これらの結果は非常に小さい差なのですが、運動課題が高ければ高い程すなわちスポーツとなるとその差は大きくなっていきます。例えばゴルフなどは、インパクトの場所がほんのわずかにズレていたとしても、結果に非常に大きな差が生まれることは誰でも想像できると思います。

まずは自分の身体コントロールが重要なのです。これらは建物で例えれば土台と言えます。土台が曲がっている状態ではいくら努力してもその上に良い建物は立ちにくいのです。何より非効率ですし、ズレた運動パターンを形成してしまいます。これらを理解する上での注意点ですが、客観視覚的に曲がっていることが悪いという事ではありません。専門的に言えば例えば脊柱(背骨)が曲がっていても、足の長さに左右差があったとしても、それに伴い身体が対応できていれば大きな問題はないのです。私が今まで健康に問題がない方々を検査した中には真っすぐな人間など存在しません。大人でも子供でも必ず左右差はあります。頭でのイメージとのズレが大きな問題なのです。

ボディーイメージが優れている子供の見分け方ですが、特徴としては、視覚で得た情報を自分の身体で表現するのがとても上手なのです。見た動きをすぐ自分の身体で表現することができます。また好きなスポーツ選手のマネも上手にできます。これボディーイメージの観察として動画撮影は有用な方法の一つです。自分の動きを客観的に見てもらうと運動能力の高い子供は違和感を訴える事が少ない印象ですね。気になる方は是非運動時の動画を撮ってみせることをお勧めします。

ボディーイメージや内観は生まれてから現在までの遊びの経験やそれぞれの生活動作などで無意識に育まれています。すなわち同じ運動課題が苦手な子供に対しても原因はそれぞれであり、解決するには個別的な問題が複雑に交わっているケースが多いのですが、次回は私が考える大事な要素をいくつかお話ししたいと思います。

では今回も最後までお読み頂きありがとうございました!