人は(かくいう私もですが)とかく、外見の華やかさだけに惑わされがちです。確かに外見は大事だと思います。ただ、それは内面から滲み出るものでなければならないはずであり、内面を見つめることこそ大切だと思うのです。

例えば、美しい姿を見せている東京タワーやスカイツリーの基礎(内面)を考えてみてください。

現在ある東京タワー(芝公園)は地震の多い日本に合わせ柔軟な構造に設計されているそうです。時間をかけて緩やかに揺れ、徐々に吸収される仕組みになっています。

タワーの基礎は1脚に8本ずつ、直径2mの鉄筋コンクリート柱が東京湾海面水位(約20m)まで地中深く達しており、その上に、1辺約10メートル角のコンクリート基礎を据えて塔脚の台座としています。1脚だけでも4,000tの重圧に耐え、各脚は地中で直径5㎝の鋼棒20本で対角線上に結ばれています。鉄塔は約90mの風速に耐え、関東大震災以上の地震にも耐えられる設計になっています。

一方、高さ634メートルになる東京スカイツリーは、基礎も地中に三角柱の壁が伸びます。1辺は約70メートルといわれ、棒状の杭でなく地中約50メートルまで伸びる「壁杭」と言われるものとなります。

つまり、基礎(内面)は目に見えないことが多く、その部分こそが大切な部分なのだと思います。そして、子どもに当てはめてみるとそれは,意欲だとか,態度だとか,関心と呼ばれるものなのだと思います。しかし、表面的なほんの一部の学力テストといったもので評価されることが多く、本来大切にすべき意欲・関心・態度といったものが失われていっているような気もします。

もちろんその原因を作ってきたのは、我々大人であり、教育を立場の人間の一人として猛省しています。

 

長尾 昭浩