近年、タブレットが個人単位で支給されるようになり、電子機器が使えないと仕事にも差し支えるようになってきました。

私は執筆現在30代前半で、生まれたときにはすでにファミコンが発売され、小学生になるときにはスーパーファミコン、在学中にPCが学校に備え付けられ、中学生の時には親の使い古しですがノートpcをもらい、それを大学卒業まで使用して遊んでいました。

個人的な印象ですが、私より上の世代の方々は電子機器に対する取っ付きにくさというか、扱いの下手さがあるように思えます。

今回は、アナログからデジタルへの移行世代である私が、電子機器使用の本質を含めて、個人的な考えを述べてみようと思います。

 

①電子機器の本質は、人間の機能の代替拡張である

これはSF作家の言葉だと思いますが、ほぼ全ての電子機器は人間の機能拡張のために使用されています。

例えば、私が今使用しているiPadProですが、これは元々はPCをコンパクトにしたものです。では、PCで文字を打つものの原型は何かというと、今はほぼ見なくなったタイプライターです。では、タイプライターは何の機能かというと「文字を書く」機能を、鉛筆で書くより早く簡易的にしたものです。

ちなみに人間はおよそ1分間に40文字程度書けるそうですが、私はこれを執筆中にタイピング速度を測ったところ350文字程度打てていました。(ローマ字なので実際は150〜200文字)

つまり、文字を入力するという機能のみに着目すると、5〜7倍程度は差があるわけです。書字速度は、デジタルは圧倒的になります。

他にも携帯電話は「人と話す」機能の拡張ですね。対面での会話→糸電話→電話と、より「遠くの人と話す」機能が特化していきます。もちろん、顔の表情が見えないデメリットがありますが、意思疎通のツールとして、どれだけ遠くにいても会話ができるのは非常に良いことですね。

家電で言うと、冷蔵庫の最も大事な機能である「冷やす」機能は、元々は自然にある氷や冷水を用いていたものです。これは、自然の機能を代替していますが、冷やすことは「冷たい息を吹きかける」「人肌程度に温める」こういった温度に人間でも行えるので、これは機能の代替拡張に当てはまると思います。

電子機器が行っているのは実のところ、ほぼ人間がおこなっている事の代替や拡張になります。

 

②電子機器で代償できる人間の機能は基本的な機能のみ

これは意外かもしれませんが、今のPCが行えることは、人間の機能としては低次なものです。はっきり言うと「話す、聞く、読む、書く、計算する」機能の代替拡張しか行えません。

自分で考えて、自分で行う機能は備わっていません。

例えば、スーパーコンピューターが行なっていることは、膨大なシミュレーションの計算なので、数式を入力した以外のことは行えません。

ネット広告も、今自分の欲しいものの広告が流れてきて、一見機械が個人の思考を見通したように見えますが、Googleが検索履歴、プロフィールなどのさまざまな情報から、傾向を分析し『この検索を行った30代女性はこれも調べる』と言うように、パターン分析をおこなっているに過ぎません。

翻訳ソフトを使った方もそうですが、人間が翻訳したように綺麗な翻訳にはならず、また再翻訳すると、少し別の意味になったりします。

AppleのSiriなんかも自分で考えているように見えて、実は入力したプログラム通りしか検索できません。例えばSiriに「近くの美味しいラーメン屋」と検索させても「近くのまずいラーメン屋」と検索しても同じ結果が出てきます。これはGPSをもとに「近く ラーメン屋」と情報を割り出しているに過ぎません。

 

そのため、実はPCで出来ることは基本的なことのみで、「人の気持ちを読み取る」「相手に伝わるように伝える」「文章の裏を読み取る」ことはできません。

それは、人間の機能でいう「遂行機能」「実行機能」という能力にあたります。このことについては機会があれば書こうと思います。

 

そのため、できることとできないこと、メリットとデメリットをよく把握した上で使いこなす必要がありますね。