理学療法士の熊谷です。
『運動』についてお話しさせて頂こうと思います。
私は仕事柄、お子様をお持ちの方や、指導者。また選手からも運動能力に関する相談をお受けすることがあります。相談内容としては運動能力を高める方法や怪我への対応方法が主の相談内容になりますが今回はその中でも多く相談される運動能力向上の方法を考える上で皆さんに知って欲しい事についてお話します。
まず運動能力向上については個別性や年齢、またスポーツ特性もあり、これをすれば誰でも向上する!という方法は残念ながら私は知りませんし多分存在しないでしょう。
突然ですが、皆さんは自分の運動能力についてどのように感じているでしょうか?得意・苦手。好き・嫌い。また、この運動なら得意だけどこれは苦手など。もちろん皆さんそれぞれと思います。では次に、自分の小学校から高校位までの学生時代を思い出して欲しいのですが、クラスの中にどの運動でも上手にできる友達って何人かはいませんでしたか?また同じ部活をある程度同時間、同頻度経験しているはずなのに運動能力の結果に大きな違いを実感、経験された方はいませんでしょうか?察するに少なからず皆さんこれらを実感されてきた方が多いと思います。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
まず運動とは学習です。同じ動きを反復することで反射的に身体を対応する事ができるようになります。運動の苦手な子供は高度な運動課題になればなるほど学習するスピードが非常に遅いことに問題があるのです。言い方を変えれば非常に運動効率が低い状態で日々練習していると言い換えることができるのです。ではなぜ運動効率に違いが生まれるのでしょうか。この違いは本人の努力やセンスという言葉で片付けられるほど簡単な問題ではありませんでした。
私は臨床以外で以前に地域の複数の小学校でメディカルチャックを数年に渡り実施していました。メディカルチェックとは、筋力や柔軟性、身体バランスなどを中心に複数の運動課題を数値化し子供ごとの特性や問題点を把握することであり、主に障害予防の観点で関わらせて頂いていました。その中で運動能力が高いと言われる複数の子供達を中心に結果を評価していくとある共通点がありました。
結論から言うと周囲に比べ運動能力が優れている運動効率の良い子供は
『ボディーイメージの形成が優れている』と言える結果でした。
ボディーイメージとは我々が使う内観という言葉でも説明することができますが、要するに運動効率の高い子供は自分が想像した動きと実際の動きに大きな差異がないということがわかりました。